鷹匠が通うEピースと「日本の未来像」を想起させる基町アパート 地域住民と交われないスタジアムの現状に触れた今月の広島取材
先週日曜日、サンフレッチェ広島vs柏レイソルの試合撮影から始まった今月の広島取材。3泊4日の密度の濃い取材日程を終えて、19日に東京に戻ってきた。本稿を執筆している20日は、8回目のワールドカップ出場が決まる重要な日となるが、今週は広島での日々で見えてきたものを振り返る。
まずはTOPの写真から解説しよう。試合から2日後の火曜日、エディオンピースウイング広島(Eピース)を訪問。クラブ関係者の取材を終えてピッチレベルで撮影をしていた時、猛禽類を腕に乗せた男性の姿がいきなり視界に入り、慌ててシャッターを切った。男性は、鷹匠だった。
実はEピースでは、メンテナンスの一貫として定期的に鷹を飛ばしている。理由は、カラスやハトに巣を作らせないためだ。カラスやハトによる糞害は、スタジアムにとって死活問題。そこで、食物連鎖の頂点である鷹を飛ばすことで、これら害鳥にプレッシャーを与えているのだという。
最新鋭のスタジアムでも、古墳時代からの伝統技能が活かされている。その事実に、なんとも名状しがたい感銘を覚えてしまった。
ちなみに今週のEピースでは、月曜日にバックスタンドの一部が一般公開され、火曜日にはスタジアムツアーが行われていた。試合がない日でも、市民が楽しめるような工夫がなされている。
さて、今回の取材でぜひとも確認しておきたかったのが、Eピースが建設された「中央公園」、そして隣接する「基町アパート」ついてである。以前、こちらでも書いたとおり、広島の建設候補地には、中心街の市民球場跡地、宇品のみなと公園、そして中央公園の3案があった。
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